


自閉スペクトラム症の方への見てわかるスケジュールの大切さはいろいろなところ言われるようになりました。しかし
- その割には実際に使われることが少ない
- いざ使いだしても、本人にとってその時点でやりたくない、あるいはそう興味もないことばかり強制される形になって
- スケジュールの意味をなさない
- それどころか他のコミュニケーション手段としての「見てわかるもの」を提示しても見たくなくて顔をそむけるようになる
などの弊害が起こることすらあります。というかよくあります。
これもカレンダーと一緒で「いつになったら自分のやりたいことができるか」というみとおしがたつスケジュールでないと使えるようになりません。我々だってそうで、私は現在は Googleカレンダーを、カレンダーとスケジュールの両方の意味合いで使っていますが、フルタイムで働いている時は、ほとんど外的に決まる特にやりたくもないことがほとんどの中で、自分の見たい映画をいつの何時に入れるか考え、それを見ながら頑張れる、みたいなところがありますよね。
また、ここでも使用例のようなものを出しますが、「じゃあうちの子にも」とまったく同じものを見せてあげても、何の役にも立たないことが多いです。私も昔いろいろな本を読んでそのままマネをしてみてもうまくいかず、自分のやっている学習会に講師の方をお招きし、質問すると「本に書いてある形なんかどうでもよくって、ひとりひとりに合わせるの!」というお答えでした。その通りで、そのスケジュールを提示しようとしているお子さんが何がわかって、何がわからないのか、それを理解し、そのお子さんのわかるもので、また「どんな物にどんな意味を持たせているか」によって違ってきたりします。